ヘルプはキャバ嬢やクラブホステスなどのお仕事初心者には必ず通る道です。どんなにキレイな子でもすでにお客様を持っている嬢でなければ、はじめはヘルプスタートになります。
ヘルプは自分の売り上げにはなりませんし、着いたお客様には必ずお気に入りの指名キャストがいるため、あまりメリットがなさそうな仕事です。
しかし、このヘルプの期間にどれだけ店のルールやマナーなどを覚えて使いこなせるようになるかによって、その後の伸びしろが変わります。ヘルプ嬢として一人前になれなければ、人気キャバ嬢になどなれるわけがありません。
ヘルプ嬢の仕事は「場つなぎ」
ヘルプ嬢はクラブやキャバクラなどで指名のお客様の仮のお相手を務めるホステス、キャストです。高級クラブなどではヘルプでも指名のお姉さんからお小遣いやご褒美がもらえることもありますが、キャバクラなどではヘルプに目に見えるメリットはありません。
ヘルプ嬢の仕事は、指名を受けたホステスやキャストの代わりに席について、指名のホステスが戻ってくるまでの場をつなぎます。人気の嬢は1日で複数のお客様を呼ぶことも多く、各テーブルを回らなければならなくなり、体が一つでは足りません。そんな時に、他のテーブルを回っている指名嬢の代わりにヘルプが着きます。
ヘルプの仕事は指名嬢の穴埋めであり、お客様としては自分の指名の女の子が来てくれずヘルプ嬢が着くことに不満を持つこともあります。しかしそれでも、場を盛り上げて、指名嬢が戻ってくるまでの間を楽しませなければいけません。
ヘルプの仕事は控えめであるべし
野球の代打には一発逆転でヒーローになるチャンスがありますが、ヘルプの仕事にはそれをしてはいけないルールがあります。自分以外の指名客に自分を売り込むこともできませんし、こちらからドリンクをおねだりすることもできません。
他にお気に入りのホステスやキャストがいて、それを待っているお客様からしたら、そういった行為は「ずうずうしい」と思われてしまいます。
また、指名の嬢がいない間にうっかりその席が盛り上がりすぎてしまうと、お客様との間を疑われたり、嫉妬されることもあります。盛り上げ方のさじ加減も難しい仕事です。
その嬢とは先ほど以上に話が弾んでしまい、周りからみたらどちらが指名嬢であるか分からない状態だったと思います。
ていうか、その時は確実に指名嬢と話している時よりも楽しそうに見えていたと思います。
しばらくして突然ヘルプ嬢がそわそわし始めたのです。
何かと思い、前方をみてみたら、指名嬢がなにやら険しい顔をして目の前に立っていました。
水商売のお店では、指名やお客の獲得には売り上げと女性としてのプライドの両方がかかっているため、嫉妬や恨みも大きくなります。
キャバクラでお客様を奪うリスク
クラブのように一度決めたら指名が変わらない「永久指名制度」のないキャバクラですが、だからと言ってキャストが他の人の指名客を奪うことは許されないことです。奪い合いがあるとキャスト同士の中もぎすぎすしますし、ヘルプに自分のお客様を任せて、安心して他のテーブルに行くことが出来なくなってしまいます。
そのため、ヘルプ嬢はヘルプらしく必要とされている業務を過不足なく行うことが必要となるのです。これを守らないと、自分が成長して指名をもらった時に、ヘルプ嬢が協力してくれなくなります。
逆に指名のある子も『ヘルプ』がいないと
仕事ができません
キャバクラで守りたいヘルプ嬢のルール
キャスト同士のフリー客の取り合いが比較的激しいキャバクラですが、ヘルプとして席に着いた時には自分の稼ぎたい、人気を集めたい、と言う欲求は滅して接客に当たることが大切です。
ヘルプ嬢の基本ルールを破れば、後でしっぺ返しがきますし、その後の仕事でもキャストと仲良くやっていくことは難しくなります。絶対にやってはいけないこと、やらなければいけないことを理解して、安心して任せられるヘルプ嬢になりましょう。
ルール1.ヘルプ嬢は連絡先交換をしてはいけない
ヘルプ嬢は指名のキャストがいると知っているお客様に名刺を渡したり、電話番号、メールアドレスなどを聞いてはいけません。また、アフターに着いていくことも原則許されません。(指名の子から誘われておまけで着いていくならOK)
これを守らないと、お客様の奪い合いが始まってしまいます。高級クラブなどよりはルールが厳しくなさそうなキャバクラでも、他の女の子の指名客に連絡先を渡したりもらったりすることは厳しく注意しており、クビにされることもあると言われています。
何度もヘルプで席に着くようになって、顔なじみになってもルールは変わりません。たとえ指名のキャストがお休みの時に、場内指名などで席に着かせてもらった時でも同様です。「永久指名」ではないものの、基本的に奪うことはできません。
ルール2.ヘルプ嬢は指名の子の情報を明かしてはいけない
ヘルプとして席に着いたら、話すことがなくて困った、指名にしか興味がなくて困った、と言う場合にはその子の話をすると場を和ませることができます。しかし、こちらから指名の子の情報を漏らしたり積極的に話すのは厳禁です。
指名客との間でその子がどんな女の子を演じているか分かりませんし、ウソをついていることもあります。そのため、下手に情報を明かすと矛盾が生じてしまうこともあるのです。話すなら、漠然と褒めるかお客様からその子の印象などを聞き出す程度にしましょう。
ルール3.ヘルプ嬢は接近接客をしてはいけない
ヘルプ嬢は基本的に、ソファに座らず対面にある椅子を使います。状況によって隣に座ることになっても、体を寄せたり親密そうな態度を取ることは許されません。お客様の横は指名キャストの特等席であることを忘れないようにしましょう。
ヘルプ嬢として磨きたい技3つ
厳しいルールとメリットが見えない接客というヘルプ嬢の仕事ですが、これをきっちりと出来るようになれば、水商売スキルはグンとアップします。意識的に技を磨いて、次に生かしましょう。
スキル1.ヘルプで磨くトークスキル
ヘルプ嬢は指名の女の子がいないお客様の不満を緩和するためにトークで奮闘することになります。特別気に入られているわけでもなく、お気に入りの子を待っている状況でのトークはつらいものですが、その分盛り上げるスキルは身に着きます。新人でヘルプで孤軍奮闘は三重苦ですが、その中で生き抜く力をつけましょう。
スキル2.ヘルプで磨くよどみないマナー
ヘルプでは、トークで盛り上がらなくても最低限、心地よくお客様に過ごしてもらえるように心がけましょう。指名のキャストが戻ってきたときにテーブルが汚れていたり、灰皿が溜まっていたのでは減点です。指名キャストとお客様への敬意で、一生懸命におもてなしをしていると、自然に接客マナーが身に着きます。
スキル3.ヘルプで磨く断るスキル
ヘルプ嬢にはお客様からのお誘いや連絡先交換の申し出を断るという仕事があります。コレを繰り返すことで、お客様の気持ちを損ねることなくスマートに断るスキルが身に着きます。これは今後行きたくないアフターなどを断る際に生きてきます。
ヘルプはキャバ嬢修行のチャンス
ヘルプにつくのはあまり心躍る体験ではないかも知れませんが、学べることは多くなります。厳しいルールの下で接客をすることで、自然にマナーや接客方法などが身につくのです。
ヘルプを真面目にこなすことができれば、自分が主役となった時にさまざまな面でスキルを生かすことができるでしょう。